遥か彼方の植民地惑星へと向かう航海の途中だった大型宇宙船アケボノ丸で、突如謎の爆発が発生。100年以上に及ぶコールドスリープから引き戻された主人公、アカシ・アキラは一人乗りカプセルでの脱出を余儀なくされる。棺桶のような脱出カプセルで宇宙を一人漂うアカシの声に応えるのは、コンピュータの機械的な音声だけ。そんな絶望的な状況で同じく母船から脱出した同型のカプセルと奇跡的に邂逅を果たすが、なぜか相手は通信に応えず沈黙を貫く…。
不気味な静けさを抱えた脱出カプセルを従えて宇宙空間を漂うアカシは幸運なことに第2、第3の脱出カプセルと遭遇するが、彼らから伝えられたのは俄かには信じがたい真実だった。なぜ母船は消失してしまったのか? 無言を貫く脱出カプセルに乗っている人物の正体とは? 広大な宇宙空間を漂いながら残された72時間というわずかな時間の中で、アカシは混濁する自身の記憶に隠された真実と向き合う…。